中国当局はウルムチでウイグル青少年の同化政策を急ピッチで進めている
ウイグル自治区教育当局は、2005年中にウルムチ市のすべてのウイグル人小学校・中学校を漢民族の小学校・中学校と合併しようとしている。2004年7月、すでにウルムチ市天山区の中学校を漢民族の学校と合併した。
中国共産党政府は東トルキスタンを占領後、まず1950年代にウイグル青年を集団で天津に留学させ、中国語と共産党思想を教えこんだ。卒業後は漢族女性と結婚させ、東トルキスタンにもどしてから共産党委員会、政府などに就職させた。しかし、その後まもなく、ほとんどのウイグル人男性は漢族女性との離婚を選んだ。こうして、最初の同化政策は失敗に終わった。
次に1950年代の終わりから、政府は新たな政策を実行した。ウイグル人の有力者、有権者、宗教家、インテリらに「地主」、「地方民族主義者」、「親ソ連修正主義者」、「反革命分子」、「反党分子」、「政治犯」、「民族分裂分子」、「宗教迷信分子」など様々な罪を着せ、弾圧を強めた。つまり、はじめはソフトに同化政策を行なったが、それが無駄と知るや、直接的にウイグル人を消滅する方針へと転換したのである。
1976年9月中国共産党のファッショリーダー毛沢東が鬼籍に入ると、1978年から入学試験制度が回復した。その後、東トルキスタンでもウイグル人の高校生も入学試験を受けて大学に入れるようになったのである。しかし、最近またその機会が奪われつつあるのは、先日紹介したとおりである。
大学ではまず1年間中国語を教え、それから専門を教えてきた。1980年代の後半から中国語教育を強化し、ウイグル小学校の3年生から教えるようになった。90年代に入り、一部のウイグル小学校では1年生から教えてきた。現在では東トルキスタンの全国のウイグル小学校で1年生から漢語が必修となっている。その分ウイグル語の授業時間が削減されることになる。
つまり、ウイグル族からその言語を学ぶ時間を奪い、言語障害を起こそうとしているのだ。いつかは漢語の授業をより重視して、ウイグル語の授業そのものをなくしかねない。自らの民族の言葉を十分に学ぶ機会を奪われれば、ウイグル民族独自の文化すべてが消滅の危機に立たされる。それこそ中国政府の思うつぼである。ある意味、肉体的な弾圧よりも恐ろしい文化消滅政策が、急ピッチで進められているのだ。
侵略政府のプロパガンダでは、「中国語こそ世の中の知識、科学技術の全てであり」、青少年の未来のための大前提である。
小学校から中国語教育を受けることを「民考漢」というが、民考漢のウイグル学生が高校、専門学校または大学を卒業すれば、民族教育を受けたウイグル人よりはるかに優遇され、公務員などよい就職ができ、管理職にもなれる。漢語と中華思想が就職や職務の最低条件である。
東トルキスタンに流れてきた漢民族は30年間ウイグル人の食物を食べてきたが、いまだにウイグル語は一言もできない。しかし、東トルキスタンで就職でき、政治的に偉くなれるのである。漢民族であることは「政治的信用」の第一条件で、中国語を話せるのはその条件を満たす能力があるということだ。現在中国の体制下では、ウイグル人に生まれることは生まれながらに政治的信用を得られないということになる。
ウイグル族はトルコ民族中で最も早く遊牧生活から定住生活に入り、オアシスを作り、果樹園を作り、中央アジアの文化発展に力を尽くした。はっきりいうと、中国人が入る前の中央アジアがいちばん発展していた。中国人が侵略してきて、その支配下に入ったときから、中央アジアの停滞と不幸が始まったのである。
私たち東トルキスタン人は一日も早く中国人を東トルキスタンから追い出して、独立、自由、民主な東トルキスタン共和国を作ることを祈っている。東トルキスタンの独立が実現しなければ、アジアの平和は実現できないのである。
中国共産党の独裁政権を消滅し、東トルキスタン、チベット、内モンゴルの独立を実現させ、中国国内でも民主政権ができれば、アジアと世界の平和が保障されるだろう。
ウイグル太郎
東トルキスタン情報センター
2004年9月3日
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