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         東トルキスタン情報センター  2004        

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2004年3月18日

トルファン地区ピチャン県で油田が爆発された


ウイグル自治区天山ネットニュースの、2004年2月6日付けの報道によると、東トルキスタンのトルファン地区ピチャン県ルクチン郷の油田が今年1月29日爆発された。
 東トルキスタンを南北に分けているテンリタグ(Tengri tagh、中国語で天山)山脈の北にジュンガル盆地があり、その中にはクルバン・トングト砂漠がある。クルバン・トングト砂漠は石油基地で、1940年代から石油を採っているのである。中心都市はウイグル語で「黒い油」という意味のカラマイ市である。カラマイ石油基地から蘭州まで列車またはパイプラインで、原油、ガソリン、天然ガスを送っているのである。

 テンリタグ(天山)の南側にはタリム盆地(53万平方キロ)があり、その真ん中にはタクラマカン砂漠がある。タクラマカン砂漠は日本国の面積とほぼ同じである(37万平方キロ) 。タクラマカン砂漠を中心にタリム盆地の各地では石油資源があり、1979年から中国侵略者政府がカシュガル地区カルギリック県で発見された油田をはじめ、“タリム石油開発会社”を設け、戦略的に侵攻を始めたのである。石油だけでなく、2005年には、タクラマカン砂漠から上海までを結ぶパイプラインが完成し、天然ガスの輸送が開始される予定だ。 

  テンリタグ(天山)の東南はトルファン(Turpan、正しい発音はトゥルパン)盆地であり、クムル(みなさんが中国人の真似をして“ハミ”と呼んでいる)地区も含む。トルファン市からクムル地区まで東西400キロの間には石油と天然ガスが豊富にある。敦煌からトルファンまで列車や車で旅行すれば、道路の両側に中国侵略者が東トルキスタンの石油を奪っている光景を十分見ることができるだろう。侵略者がまるでアリのように動いているのだ。この油田に当局は“トルファン-ハミ油田”と名前をつけて、石油と天然ガスを採って中国に運んでいるのである。

 東トルキスタンの資源を奪い、中国に流し、中国から漢人流民と武器を持ってくる現状を弊センターの過去の記事でも紹介している。私たちの土地ではガソリンを中国国内より高く売っているのである。そして、持っていかれた石油などの代金が、ウイグル人に支払われることはもちろんない。
 東トルキスタン国民は自らの土地と資源を奪われ、貧しくなる一方だ。もとより、人権、自由、民主がなく、現在では民族存亡の危機に立たされている。
東トルキスタン国民への弾圧を強めて、できる限り早く資源をかっさらおうとやっきになっている中国侵略者の行為を、東トルキスタンの正統の民であるウイグル人が許しておけるだろうか。働けるウイグル青年でも失業状態で、生活が成り立たない。何かしようと覚悟を決めるのは、当然過ぎることだ。
 
 1月29日、トルファン地区ピチャン県内シクシン郷内の油田にオスマン・トムル(Osman Tomur)など6人のウイグル青年が行ってこれを爆破した。油田は破壊され、彼らは採掘機械の一部を持ちだして売ったのだ。

 侵略者に抵抗するこの事件はすぐに北京に伝えられた。北京政府は緊張し、中国公安部、国家安全部、新疆ウイグル自治区公安庁、安全庁、トルファン地区公安局、安全局、ピチャン県公安局、トルファンーハミ油田公安局などを動員し、1月30日の夜6人の青年を疑いで逮捕したのだ。
 当局の報道によると、わずか1カ所の油田の爆発事件での直接経済損失は800万元(約百万ドル)だった。

カラマイ油田、タリム油田、トルファン-クムル油田の何万箇所の油井から毎日石油、天然ガスを採って、中国に送っている。そのうちのトルファン-クムル油田の一つの井戸が爆発されれば、あっという間に“100万ドルの直接損失をした”侵略者は、顔を赤く染めて“少数民族地区に巨大な投資をしている”と世界にプロパガンダをしているのである。資源を強盗している事実を口にせず、外国人を騙して、世界銀行や外資を利用して軍拡のために道路を造ったり、“西部大開発”に投資してもらおうとしているのである。

トルファン-クムル油田と、東トルキスタン一の規模を誇るタリム油田の職員は99%漢人侵略者である。油田によってはウイグル人職員が、一人もいないところが多い。彼らは中華民族のために働いているのである。
 1996年の夏に江沢民国家主席がタクラマカン砂漠の中にある“タリム石油基地”で漢人職員に「中華民族の為に採掘を速めよう」と講演した。これはウイグルの独立は全力で阻止するが、世界中民族独立、民主、自由が主流になっているこの世界で自信がないので、出来るだけ多くの資源を奪っておこうという意味である。
 その“指示”が北京の衛星放送で報道されたが、東トルキスタンではウイグル語の放送はされなかった。
東トルキスタンのエネルギー開発で、経済が活性化したとしても、ウイグル人は蚊帳の外。何の恩恵もありはしない 。 
 

東トルキスタン情報センター
ウイグル太郎
2004年3月18日
 


© Uygur.Org  18/03/2004 09:28   A. Qaraqaş  日本語メール: uyghuristan@hotmail.com