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         東トルキスタン情報センター  2004        

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2004年3月17日

東トルキスタンにおけるウイグル人学生への民族差別

中国では、1990年代の末まで、基本的に大学生や専門学校生の就職は国が斡旋していた。これを中国では分配という。中国侵略者政府は、東トルキスタンで大学や専門学校のウイグル人卒業生を都市部を外して、人里離れた山地や田舎など条件の悪いところに分配したり、人事部門の公務員が収賄を求めて分配を遅らせたりしていた。

 侵略者である漢人には正反対の処遇をした。“貴族扱い”をして、大学や専門学校を卒業した漢人はもちろん、高校、中学校、小学校卒業レベルの漢人まで優先に就職させてきた。東トルキスタン内の大学、専門学校はもちろん、中国の学校を卒業した漢人にも呼びかけて、“新疆を振興させよう”(これは東トルキスタンで新しい中国を作って、漢人を豊かにしようという意味である)と宣伝し、優遇政策で多くの漢人を誘ってきた。東トルキスタンに流れてきた漢人が文盲でも“役人の運転手”として就職させ、その妻を機関、企業、学校などで事務の仕事に就職させ、給料を支払ってきたのである。

 この十数年の間に、中国から東トルキスタンの間の鉄道を複線に増やし、中国から多くの移民を流入させている。同時にその列車が東トルキスタンから石油、ガソリン、天然ガス、石炭、金、銀、銅、鉄、ウランなど多種の金属、玉石、宝石、塩、ミネラル水といった資源と、ウイグル民族を囚人のように監督しながら働かせて作らせた綿、果物、穀物などを中国へと運び出している。これらの資源や農産物は、当局が無理矢理安い値段で買い取ったものだ。

 さらに、ウイグル農民を年に3ヶ月以上の“義務労働”をさせているのである。義務労働とは中国侵略政権のためにただで働くことを指す。この労働のための交通費、食費はすべて自己負担である。共産党の幹部の監督下でする激しい肉体労働で、水路、道路、ダムなどを造るのである。参加しなければ20元~50元の罰金を取る。現金がなければ、家畜、家具、絨毯、食料品を没収し、生活が立ち行かないようにするのだ。そして東トルキスタンのウイグル農民は、どんどん貧しくなってしまっているのである。

 この義務労働と同時に、綿花などの“経済作物”と呼んでいる作物を植えさせ、安い値段で買い取るので、ウイグル農民は綿花のことを“政治作物”と呼んでいるのである。他の作物、野菜、果物などを植えたら共産党の幹部が没収したうえ、罰金を取る。ウイグル農民が一年中働いても、わずかでも収入が入るどころか“灌漑用水代”、“化学肥料代”、“土地税”、“幹部の給料代”、“教育基金”、“社会基金”、“自然災害の援助”などの名目で、その安く売れた綿などの収入を強制的に徴収し、赤字を出してくれるのである。農村地域の年収は1000元程度だが、搾取によってこれがさらに赤字になるわけだ。

 漢族には年収が億単位の者も出てきている。中国の政府系シンクタンク、中国社会科学院経済研究所は、2月、都市部と農村部の収入格差が世界でも最悪の状況にあるとの研究報告を発表した。富裕層と貧困層の実際の格差は最大で7倍に達すると報告されているが、現実には7倍どころの騒ぎではない。何倍になるのか、誰にも見当がつかないのだ。
 これが東トルキスタンで実行している“人民の生活レベルを高める”政策である。

 中国共産党の幹部(書記、郷長、県の書記、副書記、県長、副県長、地区の書記、副書記、役長)が無条件の民族弾圧政策を実施し、ウイグル農民の労働時間を延長し、侵略者を批判する発言と運動をやめさせれば、“政治安定”を守った功績があると称賛される。彼らには、ウイグル農民から強制で安く“買った”綿を中国国内の織物工場や海外に高く売って得た利益から、3万間から10万元まで賞金として払っているのである。だから、共産党幹部の生活レベルはどんどんあがるのに、一年中その監督下で働いているウイグル農民は貧しいままどころか、“赤字”になったりしているのである。むごい搾取が続けられている。

 東トルキスタンに流れてきて久しい侵略漢人でも、列車を降りたばかりの新しい侵略者の漢人でもまるで貴族扱いだ。サインさえできれば“内部政策”で就職できる。ただで土地や灌漑用水をもらえる。“義務労働”に一切行かないのである。
 大学、専門学校のウイグル卒業生が“人材交流中心”など、中国人が設けている全ての会社や役所などで求職したら、「ウイグル族は就職させられない」とはっきり言うまでなっているのである。東トルキスタンの国民が経営している会社などは“政策的に”中国から流れてきた移民に対し安い値段での商品の販売を強要され、“開発プロジェクト”としてただで土地やその不動産を提供させられる。拒否したウイグル人を“党の西部大開発政策・方針に反対した分子”、“民族分裂分子”などの政治帽子を被せ、逮捕したり、解雇したり、厳罰に処しているのだ。

 東トルキスタンで毎日列車で流れてくる侵略人口が増加するにつれ、漢人の学校も増えて、条件も改善されており、教師も増やされているのである。教師の給料は国が支払う。
 しかし、東トルキスタンの農村のウイグル人の学校では教師が足りず、いわゆる“義務教育”も保障されていないのである。この問題で2003年東トルキスタンのウイグル、カザフなどの国民は自治区政府に不満を表し、デモを行なったのである。当局はこれが民族弾圧政策に対する大きな反対運動に発展するのを防ぐために、東トルキスタンで1995年から2003年の間に大学や専門学校を卒業した青年に試験を受けさせ、1万人ほどを就職させようとして、希望者を登録した。ウイグル人口の多いカシュガル地区だけで3万人の卒業生が申請を出したのであるが、漢人卒業生は一人もいなかったのである。

 つまり、1995年から去年までの8年間の間に大学・専門学校を卒業した漢人は“貴族”であるから、全員就職していたのである。ウイグル人卒業生は3万人が申請を出しても、当局から就職の基準を満たすと判断されたのは、4千人しかいなかった。その4千人も年末の試験の後、“健康診断”、“政治チェック”などの理由で、さらに絞られた。それで就職した先というのが、条件の悪い山地や農村である。カシュガル地区で3万人の高校卒業生を大学・専門学校に行かせるには3万家族の汗と血が流れている。しかし、それだけのことをして、卒業させた子どもたちの行く末はこうなのだ。
 この数字から中国共産党侵略者政府の東トルキスタンで行っている“民族平等政策”、“少数民族優待政策”の本質が分かる。東トルキスタン人の利益をどのように奪っているのか分かる。

 恥知らずな北京政府は海外で、これほどひどい状況に置かれている民族をテロリスト扱いし、弾圧に反対したウイグル人を“分裂分子”、この弾圧を神に伝えようとしたウイグル人を“非法宗教分子”などと非難し、国際社会を騙そうと必死になっている。同時に、東トルキスタン国内では「新疆の政治、社会形勢が穏やかで、経済が発展して、少数民族の生活レベルが高くなって、豊かで肥えて油が流れ落ちるほどだ」とプロパガンダに努めている。その裏で解放軍という名の侵略軍、武装警察など武装テロ集団で、東トルキスタン国民の正当な発言や主張、不満の発露といった言論を厳しく統制している。真実をいったらどうなるかと絶えず脅し、口を閉ざさせて、真実を隠しているのだ。このような状況下で、東トルキスタン人は血の汗をかくほど搾取されているのだ。

 中国から流れてきた移民は一言のウイグル語も話せず、アルファベットのひとつも覚えてはいない。しかし、ウイグル人の土地で容易に就職し、からっぽのポケットで来たのにアパートに住み、社会的な地位はハイスピードであがっていき、豊かな生活が保証される。彼らは新しく来る侵略者の為に“西部大開発”という言葉で飾られた侵略政策の下で、ウイグル市民の家やモスクや店やバザル、耕地などを壊し、何千年も生活してきた持ち主を郊外に強制的に追い出し、アパート、幼稚園、学校、娯楽施設、軍事施設、デパート、“美容院”、“サウナ”と呼ばれる売春宿などを建ててより多くの漢族移民を受け入れているのだ。

 経済が発展すれば、それまでの民族文化やアイデンティティが崩壊・変質するというリスクは、どの国や民族、地域にもあてはまる。しかし、どの民族も経済的に豊かになるためならと、その代価を支払ってきた。
 しかし、私たちウイグル人は、異民族であり、侵略者である漢族のために、自らのアイデンティティを代償とさせられているのだ。それが私たちに何をもたらすのか。何ももたらしはしない。むしろ、この東トルキスタンの地で漢族が経済発展すればするほど、ウイグルという民族の文化は消滅していくというスパイラルに陥っている。このスパイラルは、もし私たちが独立できなければ、ウイグルという民族とその文化が完全に消滅するまで続くだろう。

 西部大開発……このプロジェクトのおかげで、私たちウイグル族が豊かになると多くの日本のみなさんが感じておられるだろう。しかし、これは巧妙にしかけられた罠に過ぎない。私たちは決して豊かになることはない。外国に私たちを発展させると見せかけて、実際にはすべての利益を漢族が独り占めしているのである。これが西部大開発の実態だ。
もちろんウイグル人もこれに気づいている。しかし、これに反抗したり、批判したり、外国に告発しようとしたウイグル人は“祖国分裂分子”、“国家安全を脅かした分子”、“非法宗教分子”、“思想民族分裂分子”、“偉大なる中国共産党に反対した分子”などの政治帽子で弾圧の憂き目を見る。その声が中国の政策に反映されることはなく、外国に届くこともないのである。

東トルキスタン情報センター
ウイグル太郎
2004年3月17日
 


© Uygur.Org  16/03/2004 20:00   A. Qaraqaş  日本語メール: uyghuristan@hotmail.com