海外ウイグル組織のリーダー、アブドゥカディル・ヤプチャン氏の
70歳の母親が逮捕されている
昨年12月15日、海外で活動しているウイグルの4つの組織が、中国当局によって一方的に“テロ組織”として公表された。さらに4組織の指導者の11人のウイグル人が“テロリスト”と発表され、当局は各国に彼らを逮捕して中国に引き渡すように要請したのである。しかし、アメリカ、ドイツなどの民主国家がウイグル組織を法律によって守っており、中国のテロ認定を認めていない。ウイグル組織は前と同じように活動を続けている。組織のリーダ達の人身安全や財産が保護されているのである。
11人(全員男性)のうちハサン・マフスム(Hasan.Mehsum)氏(カシュガル地区イェギシェル県、中国語の疏勒県出身)は中国の発表の前、昨年10月2日に、既にパキスタン軍によって殺害されていた。テロリスト・リストの2番目に名前のあがったアブドゥカディル・ヤプチャン(Abdukadir
Yapchan)氏は東トルキスタンカシュガル地区イェギシェル県ヤプチャンバザル出身。彼の母親で70歳になるアイムニサハンさん(Ayimnisahan)が昨年、2度逮捕されて最初3ヶ月、その後6ヶ月刑務所に入れられた。刑務所で病気にかかったため現在では病院で警察の監督下で治療を受けている。
カシュガル地区イェギシェル県はカシュガル市から8キロ南に位置する。この県城には中国侵略者の“南疆軍区”と呼ばれる軍が配置されている。イェギシェル県の広い肥沃な土地、灌漑用水などが中国侵略軍によって奪われており、長い間続いてきた東トルキスタン独立運動で死んだ中国人幹部や兵士の墓まである。
「東トルキスタンイスラム運動」のリーダであったハサン・マフスム氏とアブドゥカディル・ヤプチャン氏はイェギシェル県(人口35万人、95%ウイグル人)出身である。他にも侵略、圧迫に反発するウイグル人が多いので、当局はイェギシェル県民にパスポートを発行せずに、外国で商売、旅行、巡礼、留学などすることを禁止しているのである。
アブドゥカディル・ヤプチャン氏は東トルキスタン組織のリーダの一人であるが、その母親は農民であり、学歴もなく、独立運動とは無関係である。当局はアブドゥカディル氏の母親であるというだけの理由で、70歳の女性を逮捕したのである。
インタービューに答えたアブドゥカディル氏は“母は何の罪もない。ただ私を生んだから逮捕された”と語った。去年、アイムニサハンさんが海外の息子と電話で話した時、手伝っていた親戚も当局によって逮捕されたのである。
東トルキスタンでは、ウイグル人が政府や漢人による差別、圧迫に不満を持てば逮捕される。身の危険を感じて亡命すれば、その親・家族が逮捕されてきた。公安当局は高い罰金取ったり、現金がなければ財産を強制で没収したりしている。
アブドゥカディル氏は、記者の質問にこう語った。「中国政府がウイグル人を殺しても、逮捕しても、私は中国侵略者を追い出して、東トルキスタンの独立を実現させるための運動を一日も止めない。母も、私も東トルキスタンに中国人を呼んだことなどない。しかし、私たちは強い反中独立運動を全面的に始めていない。だから軽視と圧迫を受けている」
アブドゥカディル氏は国際人権組織についてどう思うかとの質問に強い口調でこう答えた。「東トルキスタン人民が圧迫を受けても、弾圧されても国際人権組織は中国と交渉していない。中国政府はこれをよく知っている。ウイグル独立闘争は中国が言ったように数人のテロリストの行動ではない、これは民族全体の戦いである」と強調した。
東トルキスタン情報センター
ウイグル太郎
2004年2月18日
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