カシュガル地区の地震と支援活動

2月24日から東トルキスタンのカシュガル地区で地震が続いている。
震源地はカシュガル地区マラルベシ県のチュンクルチャック郷で、24日にマグニチュード6.8と発表された。その後中国国家地震局の専門家が測定した結果マグニチュード9と判断された。
被災地では壁の下から掘り出した死亡者が300人を越えている、負傷者も余震で増えている状態である。重傷者2000人以上、負傷者合計5000人以上に上っている。家が5万戸以上倒壊した為、気温零下の畑地が学校、病院、葬式場などに使われている。夜間には6万人以上のウイグル人が倒壊した家の下から掘り出した布団で寝たり、それも足りず自分達の服のまま夜明かししたりしている。
地震があってから、中国政府はウイグル人の死亡よりも「政治穏定」を重視し、1100人の解放軍、武装警察を災害支援として派遣している。武装した中国人が被災地の村まで行き、葬式を行っているウイグル人の治安を「守っている」のである。海外の人道主義的な支援は不要だと言っていた中国政府は国際的な影響を考慮し受け入れを許可し始めている。しかし、中国の台湾人、香港人、大陸の新聞記者、カメラマン、外国人新聞記者、カメラマンなどを地震現場に入れないように規定を出している。地震発生後から、アメリカの自由アジアラジオ(英語、中国語、ウイグル語、などでラジオ、インターネットラジオを放送している。http://www.rfa.org/
)や海外にいるウイグル組織や個人がカシュガル地区各県に電話し、死亡者、負傷者、支援状況などを毎日調べている。カシュガルからアメリカに無料電話も設置している。2月28日の現場取材によると支援物資や援助金など何ももらっていないウイグル農民がいる(自由アジアラジオをご参考)。病院なども倒壊してしまったので、テントや畑で当局が派遣した医療隊が救援を行っているが、医療職員、医薬、医療器械などが足りないので、重傷者以外の患者の治療まで手が回らない状態が続いている。カシュガル地区は非常に乾燥しており、昼間と夜間の気温差が10℃ー20℃にもなるので、気温零下の環境で負傷者、患者、小学生、中学生、農民、婦女、赤ちゃんなどが困っている。マラルベシ県共産党委員会の書記の話では物資は足りているそうだが、現地のウイグル農民数人の国際電話インタビューによると、実際は何も救援を受けていないとのことである。
ウイグル民族は1000年以上イスラム教を信仰して来た。葬式もイスラム式で行われる。葬式のお祈りは中国共産党が決めた人しか許されない状態で、ウイグル共産党員、幹部などは親戚が遭難していても哀悼すら禁止されている。
ウイグル自治区民政局、ウイグル自治区紅十字会を災害支援金や救援物資を届ける組織として決めているが、1996年以降のカシュガル地区ペイズワット県であった大地震の状況を思い出すと支援金や救援物資などの殆どがウイグル自治区、カシュガル地区、ペイズワット県、各郷の共産党の書記、郷長やその親戚を中心に配られ、災害を受けたウイグル農民には届くことはなかった。この6年間、耐震性のある小学校や中学校なども建てて来なかった。ウイグル自治区共産党や人民政府の役人は北京政府によって任命される。各地区の役人は自治区共産党委員会によって決められる。各県の書記や県長や各郷の郷長などは地区共産党委員会組織部によって決められる。役所の看板には「人民政府」と書いてあるが、ウイグル自治区の人民やその利益と全く関係のない政府である。民主選挙で成立した政府ではない。その政府の役長などは金や賄賂や不正な行為でその地位に就き、金もうけ主義に奔走し、もっと偉くなる為に必死になっているに過ぎない。している仕事は自分の椅子を守ることであり、ウイグル人民の生死を考えることではないのである。支援金などの到来は、彼らにとってはいいチャンスで、ウイグル人民を「代表」し、昼間は豊田ランクルや三菱のPajeroに乗り、被災地とその周りを走る。夜はカシュガル市や県の暖かいホテルに泊り、レストランでパーティを行い、高いお酒を飲みながらダンスを踊り、残った料理やお酒、高いタバコを持って帰るのである。北京政府の要求というのはウイグル自治区の独立を防ぐことであり、共産党幹部の腐敗などは犯罪にはならないのである。これは中国の他の省と違う政策である。これらの腐敗に対してウイグル人が意見や不満を言ったら、「中国共産党への反逆行為」、「反動宣伝」、「民族分裂分子」などの罪が貼り付けられ、刑務所に入れられる。だから、これらの腐敗を直すことは出来ないのである。
今、世界各国の政府,組織、台湾、香港、中国国内で、被災農民や学生などに支援しようとしているが、その支援金や救援物資がまた中国共産党の幹部やその親族のポケットに入ってしまい、皆さんの暖かい心、気持ちが本当に困っているウイグル人宛てに届けられない懸念がある。
日本のCODE(NGO)の責任者の話によるとカシュガル政府地震支援関係者の話では「物資がもう足りている、現金が欲しい」とのことである。
現金は彼らが上手く分配出来るもので、監督機関がなければ、自由にすることができる。
だから、人道主義支援などは出来るだけ現地に行って、農民や小学校、中学校やその生徒達、婦女達の生活環境の回復、治療、勉強などに使えるように届けていただきたい。2月28日の取材によるとマラルベシ県の4つの郷の書記と郷長等は支援金と救援物資を独占していたので当局の処分を受けたそうである。
自治区、カシュガル地区、地震があった県などの共産党や政府の幹部の「約束」、「誓い」などを信じてはいけない。
世界各国の皆さんの人道主義的な支援をして頂けるようにお願いします。
ウイグル太郎
東トルキスタン情報センター
2003年3月1日 |